あつく、ゆるく

人見知り・アガリ症の雑記ブログ。ソロギターと外乗が好き。

読まされる方はツラいぞ『読みたいことを、書けばいい。』田中泰延著

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自分が読みたいものを、書けばいい。 

そうすれば文字が”そこ”へ連れていってくれる。

「1行でいい」依頼を7000字書いて人生が変わった、著者の文章哲学とは。

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みなさんこんにちは、kyonです。

1冊本を読み終わりましたので、ご紹介します。

 

それがコチラ。 

田中泰延氏著の『読みたいことを、書けばいい。』です。

Amazonランキング「本」総合1位★(2019/8/19〜20)

『林先生の初耳学』著者出演(2019/8/18)、

日本経済新聞広告掲載(2019/8/19)、大反響。

発売2.5ヵ月で15万部突破。

 

「バズる記事を書きたい」

「ターゲットに刺さる文章を書きたい」

「自分の思いを読んでほしい」

 

そんな「技術」を学ぼうとする人は、

出発点から間違っている。

もっとシンプルに、

あなたが読みたいことを、

あなたに向けて書けばいいのだ。

(中略)

 Web記事500万PV超、

Twitterフォロワー46000人超。

多くの支持を得るwebライター初の著書。

 

書くことは、たった1人のベンチャー起業。

 

「自分が読みたいものを書く」ことで、

実際に「現実が変わる」のだ。

(後略)

Amazon.co.jp商品ページより引用)

 

すごく印象的なタイトル!

一応ブログを書いている者としては、タイトルで”ハッ”とさせられました。 

 

著者は田中泰延(たなかひろのぶ)氏。

電通に入社し、24年間コピーライター・CMプランナーとして活躍されたそうです。

現在は退社し、フリーランスとして執筆活動をされています。

本書『読みたいことを、書けばいい。』が初の著書。

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本書の主張は、いたってシンプル

そして、とても強烈

 

自分が読みたいものを書け!

 

ということ。

うん、タイトル通り笑。

 

本書では、「自分が読みたいものを書く」ことで「自分が楽しくなる」ということを伝えたい。

 

 自分がおもしろくない文章を、他人が読んでおもしろいわけがない。だから、自分が読みたいものを書く。

 それが「読者としての文章術」だ。

ビビッときます。

 

そもそもなぜ「文章を書きたい」と思うのか。

「書きたい!」と思う事象に触れて、心が動くからではないか。

 

”書きたいもの”に出会ったとき、それについてよく調べ、書き記すことで人生はおもしろくなる。

あなたが書いたものは、あなた自身が読むとき、たった1日だけ、あなたを孤独から救ってくれる

 

だから、自分の読みたいことを書きましょう。

そういう本です。

 

とくに面白いなと思ったのが

  • ターゲットなど想定しなくていい
  • だれかがもう書いているなら読み手でいよう
  • 他人の人生を生きてはいけない
  • 思考の過程を披露する
  • 書くことは生き方の問題である

このあたり。

 

ターゲットなど想定しなくていい。

これ、文章書く人ならびっくりしませんか。

 

むしろ、多くの文章術は「ターゲットを想定する」ことを推奨しています。

「みんなに向けて書いた文章は、結局誰にも”刺さらない”」ということで。

しかし、著者はそれをぶった切ります。

 

「たった一人のだれかに手紙を書くように書きなさい」というのもある。かなりもっともらしいが、それはLINEしてください

な、なるほど笑。

 

この主張は、筆者の経験からきているもの。

24年間、広告業界で「コピーライティング」の仕事をされてきた著者。

 

それは

「30代女性にこの洋服の良さを伝える文章を書け」

「中学生がこのスナック菓子に興味を持つ言葉を考えろ」

というターゲット論の世界。

 

しかし莫大な宣伝費を使っても、結局はテレビや新聞など不特定多数が目にするところに「置かれる」ものだ、と。

「届けられる」わけではありません。

 

だから

読み手など想定して書かなくていい。その文章を最初に読むのは、間違いなく自分だ。自分で読んでおもしろくなくれば、書くこと自体が無駄になる。

という主張にたどりつくのです。

 

このような歯に衣着せぬものいいが痛快で、すらすら読めます。

 

…しかし。

 

読み進めていくうちに、違和感が。

 

本書は、できるだけ文字を少なくし、無駄な記述を徹底的に排除したつくりになっている。

と書いたすぐ次の文章で

この大切なことを、わたしは近所のコンビニに出かけた際に財布を忘れて取りに帰る途中で、スマホに「無駄な記述を少なくすることが大切」をメモしておいた。

 財布は玄関の下駄箱の上にあった。よかった。財布は1年前に買った新品で、ファスナーで閉じる細長タイプのものだ。いずれにせよ無駄な記述が多い本と文字が多い本は読みたくないと思われてしまう。

と書いてあります。

これが「無駄を徹底的に排除したつくり」なのでしょうか?

逆に無駄な文章ばk、うわなにをするやめ。 

 

 ほかにも

 しかし、わたしは有名小説家でも人気コラムニストでもない。本を書く人としては、だれにも知られていない。そもそも、この本自体が初めての著書である。では、偉そうに「文章の書き方をお教えしましょう」と宣うわたしはだれなのだろう。だれですか。

 

 訊かれたので簡単に自己紹介しておこう。わたしは、田中泰延という。ちょっと名前が読みにくいので、いろんなところで顔写真と共に「田中泰延です。ひろのぶと読んでください」と表記するのだが、それを見た知らない人から電車や道端で急に「ひろのぶ、ひろのぶ」と呼びかけられることが多くなった。「ひろのぶと読んでください」とは書いたが「ひろのぶと呼んでください」とは書いていない。気安く人の名前を呼ばないでだきたい。

こんな記述が続きます。

これは読む人を選びますね。

 

 主張は理解できますし、むしろ支持の立場ですが、やっぱり読者のことも気にかけないといけませんね。

100%自分が読んで楽しい・気持ちいい文章ってのも考え物です。

自慢のような文章を読まされるのは、読まされる方もツライです。

 

とはいいつつも、コラムがよかったです。

それは『広告の書き方』にて。

  • 15文字で言う
  • 1つだけ言う
  • 人が気にしていることを言うと効率がいい
  • 商品と関係ないことも広告として成り立つ
  • 広告コピーの考え方はあらゆる文章に活かせる

著者の経験からくる言葉と考え方で、学ぶべきものがありました。

 

やっぱり「広告コピー」の力はすごいです。

というか、怖いです。

というのも、物事の本質ではなくインパクトで人を引きずりこんでしまうから。 

 

ぼくも、この本のタイトルや見出しに引きずりこまれてしまいました。

そのあと読者をほったらかして、自分ばかり気持ちよくなってもいけませんね。

 

ぼくも文章は下手ですが、下手なりに読んでくださる人のことも考えてブログを書いていきたいなと思った次第であります。

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まとめ

やっぱり、24年間「コピーライター」を仕事にされてきた方の”言葉のフック”はすごいです。

タイトルから人をグイッと引きこみます。

 

しかし、その広告コピーの力が強すぎました。

引きずりこまれたけど、著者ばかり気持ちよくなって読者はおいてけぼりになることも。

読む人を選ぶ本だなぁ。

ただ、主張はとても参考になりました。

 

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