社畜なみに働いていたら、トイレで吐血。
「がんばって働いたら幸せになれる」なんて、ウソ。
人生をかえるために旅にでたお話。
みなさんこんにちは、kyonです。
旅に関する本を読み終わったので、ご紹介します。
アラサ―
独身
彼氏なし
働きすぎて吐血
人生を変えたい!
そんな筆者の世界一周ひとり旅とは…。
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旅がなければ死んでいた
内容紹介
失恋と過労で、心身ともに瀕死……命からがら出発した、アラサー・独身・彼氏なしの世界一周ひとり旅。行き詰まり・生きづらさを感じているすべての人を、打開と気づきの旅路へと連れていく奇跡の旅行記。
やりがいのある仕事、好きなものに囲まれた暮らし。不満はないのに不安になるのは、生きにくさを感じるのはなぜなのか。過労で吐血し、心を病み、恋人にフラれる。
どんなに努力しても幸せになれないことに疑問をもち、逃げるように日本を飛び出した。
「自分と違う価値観で生きるひと」に出会う世界一周の旅で、彼女が見つけた幸せに生きるための「気づき」とは。
モンゴルでは乗馬を習い、トナカイ遊牧民を探しに山を越え、谷を越え、尻が割れ。
禁断の王国と呼ばれるムスタン王国で、本物の王子さまに謁見。
ケニアのスラム街で、地元アーティスト集団と密造酒を飲みまくる日々。
ナミビアの先住民と交流するために、半裸でコスプレした結果、ゴミ袋に入れられて。
ブラジルのUFOが飛来するスピリチュアルな街でもハプニングに巻き込まれる。
ペルーのアマゾンで、強力な幻覚剤を飲んでシャーマンの儀式に挑む。
アメリカではおっぱい丸出しで自転車に乗り、数千人の全裸集団と街中をパレード。
そして世界一周の最後の街・ロサンゼルス。誰もが予期しなかった旅の結末が訪れる。
著者・坂田ミギー氏について
旅マニア / エッセイスト / 株式会社こたつ 共同CEO クリエイティブディレクター
福岡県出身。大学時代からバックパッカー。広告制作会社、博報堂ケトルを経て、現職。年間旅行日数100日以上の旅マニア。20代でうつ病を患い、プチひきこもりになるも、回復期にインドを旅したらどうでもよくなり寛解。がんばったら幸せになれると信じて日々を生きるも、過労と失恋で「このままじゃ死ぬ」と気づき、命からがら世界一周へ。旅を機に立ち上げたブログ「世界を旅するラブレター」は、世界一周ブログランキング上位常連の人気ブログに。
現在はキャンピングカーをモバイルオフィス&家として、日本各地を旅しながら働く毎日。
感想
社畜なみに働いて
「人生を変えたい!」
と旅にでる。
きっかけとして、よくありそうです。
最近読んだ本では、東松寛文氏著の『サラリーマン2.0 週末だけで世界一周』もそうです。
ただ、今回の著者は”追い込まれ感”がすごい。
働きすぎて吐血。
世間のいう通りにやってきたのに。
受験勉強して大学行って、就活して、いい仕事して、それまでのところに来たのに。
がんばって働いたら幸せになれるなんて、ウソ。
このままじゃ精神も肉体もやられる。
だから旅にでよう。
自分の価値観を変えるために。
この生きづらさの原因を見つけるために。
そこから旅にでるのです。
(旅に出る前に、元カレの浮気が原因で失恋もしています)
どんな旅になるのでしょうか。
語り口は軽く、サクッと読めます。
実際、1日で読みきりました。
約300ページあるんですけどね。
一気に読めて、元気が出る。
読後感がさわやかな本でした。
行動力の意志の強さ
著者の行動力と意志の強さがすさまじいですね。
たとえばモンゴルにて。
トナカイとともに生きる遊牧民族ツァータンに会うために、辺境の地フブスグルに来たときのこと。
しかし、そこには観光客相手にトナカイをみせる、いわば観光ツァータンしかいない。
「本物のツァータンに会いたい!」
ということで、情報収集。
「本物のツァータンは遊牧民族だから、移動し続けているんだ。おそらくここから350kmほど離れたところにいると思うけど、ハッキリとはわからない。だから会うのはむずかしいんだよ。」
「すべての条件がそろってはじめて会えるんだからね、会えなくても仕方ないんだからね。」
と言われます。
ツァータンに会いに行くのに必要な日数は、運がよくて最低4日。
フライトは5日後。
時間がない。
雨が降ったら、車はつかえなくなる。
事前に政府の入域許可証を取得しておかなくてはならず、それもすぐに取れるかはわからない。
……というか、取れなかった。
万事休す…。
ぼくなら、あきらめて帰りますよ…(^^;。
ところが…。
たとえばチベットにて。
著者は”コルラ”がしたかった。
コルラとは仏教、ヒンドゥー教、ボン教、ジャイナ教などの聖地として知られるカイラス山の周囲約52kmを歩いて一周する巡礼のこと。
これを成し遂げれば、現世の罪が浄化されるといわれている。
プライベートツアーで「カイラス山の巡礼」をオーダーしたのに、見学だけで巡礼は含まれていなかった。
中国からの許可もおりない。
チベットに入るのに、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ法王の写真を所持することは許されない。
法王の話を公共の場ですることもできない。
「フリーチベット!」なんて大声で叫ぼうものなら即、公安に連れていかれるのだという。
そんな厳しい状況で、政府の許可もなく旅行会社からも断られたコルラをするために著者がとった方法は…。
「気になったものは絶対体験する!」という筆者の強い意志と行動力を感じました。
「何とか希望とかなえてあげよう」とするまわりの人も温かい。
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「伝える」という使命
この本から知るのは、著者の旅の様子だけではありません。
その土地での暮らしぶりや、出会った人たちの人柄まで伝わってくるのです。
それは、フィリピンのバダッドという村での、おじさんとの出会いがきっかけ。
「天国への階段」とも称される棚田を、今でも守り続けているバダッド村。
しかし、後継者が足りなく、今では危機遺産リストに登録されているそう。
その村のおじさんが言いました。
「もし、あなたがここを気に入ってくれたなら、どうか多くの人に、ここで見たもの、感じたものを伝えてほしい。わたしたちの存在、文化を知ってもらいたいんだ」
上↑で触れたチベットのエピソードでも、あるガイドの方がこんなことを言っていました。
「ぼくたちの願いは、チベットを世界に知ってもらうことだ。(中略)きみたちがチベットで見たもの、感じたものこそが真実なんだ。だから、それを少しでもほかのみんなに伝えてほしい。それが、ぼくたちチベット人の願いなんだよ。」
こういった言葉を聞いて、著者は思ったんです。
「旅でもらった、あたたかいきもちを、ことばを編んで伝えていく」
というお返しなら、自分でもできるんじゃないか、と。
だから、旅をしながらラブレターを書くことにしました。
旅先で出会ったあなたには「あなたのいるところは、こんなにすてきだったよ」と、みんなに伝えられるラブレターを。
わたしの旅を応援してくれるあなたには「わたしは今ここで、こんなことを経験しているよ」と、報告がてら安心してもらえるラブレターを。
これから旅に出ようとしているあなたには「この場所はあのときこんな感じだったよ」と参考にしてもらえるラブレターを。
なので、この本には著者の体験だけでなく、その土地その土地の人の思いも詰まっているのです。
著者と出会った人たちの「確かに生きた記録」でもあるのです。
というのも、この本に出てきたある人はその1年後……。
読者であるぼくも
「こんな場所があるんだなぁ」
「こんな人がいるんだなぁ」
と、その土地の人たちの思いをしっかりと受けることができた、ような気がします。
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まとめ
一緒に旅をしているかのような気持ちを味わい、あっという間に読みきった本でした。
著者の率直な文章と、出会う人たちと向き合う姿勢がそうさせているのでしょう。
読後感もさわやか。
「ちょっと今の環境は生きづらいな」
「こんなにがんばっているのに!」
と思っている方に、特におすすめする本でしたー。
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