あつく、ゆるく

人見知り・アガリ症の雑記ブログ。ソロギターと外乗が好き。

車いすは、飼い主の希望でもある『犬の車いす物語』沢田俊子

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老いや事故・病気で歩けなくなった犬たち。

「歩かせてあげたい…」

川西さんご夫婦と犬たちの「命の物語」

みなさんこんにちは、kyonです。

 

ぼくは動物が大好きで、動物とふれあえる場所によく行きます。

www.atsu-yuru.net

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それと同じくらい、動物を題材にした本を読むことも好きです。

Amazonで馬関係の本をさがしていると、とてもおもしろいシリーズを見つけてしまいました。

 

『青い鳥文庫』です。

青い鳥文庫(あおいとりぶんこ)は、講談社から刊行されている日本の児童向け小説叢書。1980年創刊。

 

文庫の名を冠しているが、サイズはポプラ社のカラフル文庫などと同じ新書判である。刊行されている作品の大半は小学生向けであり、ジャンルも多岐にわたる。 2017年より青い鳥文庫小説賞を実施。現在、第4回 青い鳥文庫小説賞の開催を発表。

 

フィクションが多いですが、動物を題材にしたノンフィクションも充実しています。

たとえば、こんな感じ↓。

どれもこれも、評価が高い。

Amazon.co.jpのレビューをみると、だいたいどれも星4.5~5ばかり。

うーん気になる笑。

ありがとう、Amazonの関連商品笑。

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と、いうことで1冊読んでました。

今回ご紹介するのはコチラ↓。

 

 

ダックスフントのスイーピーは、病気のせいで歩けなくなって元気をなくし、ガリガリにやせてしまいました。ところが、飼い主の川西さんが手作りした車いすにのせてみたら、みるみる元気に! それから川西ご夫妻は、犬の車いすを作る仕事を始めました。交通事故にあったマル、保護犬のシンディーなど、車いすを作ってもらった犬たちの生と死、そして、川西ご夫妻の新たな挑戦を描くノンフィクション。

(引用元―Amazon.co.jp

 

大阪府に住んでいる川西英二さん仁美(ひろみ)さんご夫婦は、犬を飼っています。

「スイーピー」という名のダックスフント

 

しかし、ある時から様子がおかしい。

足を引きずって歩くのです。

8歳になろうかという時に、持病の椎間板ヘルニアが進んでました。

 

ストレスからか食欲も減り、好きなおもちゃでも遊ばなくなりました。

体重が半分ほどに。

 

獣医さんの提案で、犬用の車いすを試すことに。

 

この案はよかった。

前足だけですたすた歩いて、トイレも自力でできるように。

 

でも問題点もあります。

 

値段が高かったり

素材が重かったり

車輪の動きが悪かったり

ややこしい作りになっていたり。

安全を重視するため、仕方ないこともありますが…。

 

量産型ということで、体にあってないということも。

 

そこから、英二さんの車いすづくりが始まります。

 

完成するのに2か月ほどかかりましたが、スイーピーの体形に合って理想的な車いすができあがりました。

 

「うちの子にもほしいわ」と近所で評判になって、

日本中はもちろん、海外からも問い合わせがくるようになりました。

 

ご夫婦のやりとりが、またね、いいんですよ。

明るく元気な仁美さんと、やさしい英二さん。

息もピッタリ。

「あんた、のるのはスイーピーやで。スイーピーがよろこぶように作ってやってや。」

「わかってる。」

「プラス、散歩させるわたしの身にもなってな。」

 

「あんた、早よ、作ってあげてや。」

「まかしとき。」

 

「安全第一。リハビリになるように、考えてや。」

「もちろんや。」

「注文があったら自分とこの犬や思って、その子にとって、最高の車いすを作ろな。」

「わかってる。」

「あんた、軽かったらええというもんやないで。強い風がふいてきてもたおれたり、おしもどされたりしないようによう考えて、けがのないようにしてや。」

「ラジャー。」

 

こんな感じ。

まるで夫婦漫才のよう笑。

 

英二さん、やさしいなぁ。

ぼくだったら、横でこんなこと言われたらキレてます笑。

「わかっとるわ!」って笑。

 

でも、そんな仁美さんの気さくなキャラクターが、相談者の心をほぐすのです。

「体形は?体重は?首からおしりまでの長さは?胴回りは?肩幅は?足の長さは?色は?あ、これ、関係ないね。」

思わずクスッとしてしまいます。

まるで昔からの知り合いのよう。

重くなっていら相談者の心も少し軽くなります。

 

「ここなら、きっといい車いすをつくってくれる」

  

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そんな川西さんご夫婦に、車いすをつくってもらった犬たちのお話がたくさんのっています。

  • 子どもたちに人気者のコーギー・マルル
  • 消防団員として活躍したシェパード・クヴェナ
  • 犬以外の動物にも車いすをつくったお話

などなど。

ネタばれしたくないので、ほんの一部だけ。

 

それぞれが10ページほどなのですが、どれもグッときます。

 

歩けなくなっても、大事な家族。

「最後の最後まで、自由に歩かせてやりたい。」と思うんですよね。

 

「犬が歩けなくなった」というツラい事実に向かいあい、

車いすに希望をたくす飼い主さんたちの気持ちが、痛いほど伝わってきます。

 

地域の多くの人に愛されている・応援されている犬の物語は、ぼくはとくに弱いです(^^;。

涙なしでは読めませんでした。

 

 犬を車いすに乗ることに関して、なかには心ない声も聞こえてきます。

「かわいそうに。そんなことまでして、歩かさんでもええのに。ぎゃくたいとちがうか。」

 

しかし、犬たちは車いすを通して元気を取りもどしていきます。

 

自由に動けるようになったことで運動量がふえたり、食欲がもどったり。

「動けない」といストレスも減りますし。 

 

それは、車いすをつくってもらった飼い主さんたちのことばにも表れています。

―おかげで楽しく散歩しています。

―よく食べるようになりました。

―わたしの心の負担が軽くなりました。

―リハビリ、がんばっています。今日のうちの子の写真です。

 

車いすは、ペットにとっていいだけでなく、飼い主にとっても希望なんだ。

 

「もっと、がんばらなあかんな。」

「そやな。

 全国からのたくさんのうれしい声をはげみに、今日も川西さんご夫婦は犬の車いすをつくっています―――

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はじめて「青い鳥文庫」を読んでみましたが、とても良かったです。

わかりやすく、大事なメッセージがスッと入ってくるんですよね。

 

「小学校初級から」ということで、すべての漢字にルビがふってあります。

でも、ほとんど気になりませんでした。

 

車いすにのって元気をとりもどした犬たち。

それをみて安心した飼い主たち。

それから、それぞれの犬たちにあった車いす作りに挑戦する川西さんご夫婦。

 

いろんな思いがつまったノンフィクションでした。

ぜひとも多くの方に読んでいただきたい物語ですね。

 

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